来妃菜チュラル

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 若葉の季節を迎えた頃のことでした。緑いっぱいの木々に爽やかな風がなびき、緑の大きなドレスのスカートが揺れているようです。  木々の緑と同じ色のチェックのスカート、青のリボンに紺色のブレザーの制服を着た四方城(よもぎ)来妃菜(こひな)は茶髪のショートヘアで私立(しりつ)千江積宮(ちえつく)高校(こうこう)に通っていました。科は被服科です。  来妃菜は中学のとき、千江積宮高校を受験をする前は、姉の満里菜(まりな)が通っているところと同じレベルの高い公立の土津斗(どつと)高校を受験しようとしていました。科は普通科です。  塾に通いながら、土津斗高校の受験勉強していた来妃菜でした。しかし、成績がなかなか上がらず、土津斗高校の模擬試験全教科Cランク以下の結果で土津斗高校の受験を諦めてしまいます。  模擬試験全教科Cランク以下だったことを周りに笑われ、塾講師にこれでは土津斗高校に合格することは難しいと言われた来妃菜は通っていた塾をやめました。  高校受験の希望を失った彼女は、学校にも行きたくなくなり、秋に一時期、不登校になります。しばらく、教室には戻らず、保健室の登校が続いたのです。
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