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クラスメートに行き会わぬよう、こそこそとした学校生活が何日か続いた来妃菜でしたが、保健の先生である吉原利衣子の友人との出会いによって、受験する希望が再び湧いてきます。
吉原の友人の名前は市松玲郁です。彼女は私立千江積宮高校の校長でした。
来妃菜は市松が当時は何者か知らず、ある日の午前中、保健室に来客した彼女に相談します。
「私、最初は姉と同じレベルの高い高校の受験を考えて、目指して、勉強を頑張ったのですが、塾の模擬試験の結果がボロボロでした。姉と同じ高校に入れないんじゃ、意味がないです。もう、これから、どうしたらいいのか、分からなくなってしまいました」
「来妃菜ちゃんは、お姉ちゃんと同じ高校を受けたかったんだ」
来妃菜の話を真剣に聞いていた市松は、穏やかな表情で言いました。
「はい、姉と同じ高校に絶対に入るんだって、やる気を出していたのですが……」
だんだん、話す声が小さくなっていく来妃菜です。
「でも、来妃菜ちゃんの興味のある高校ってレベルの高い高校?」
「!」
市松にそれ聞かれ、来妃菜ははっとなります。
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