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自分はもし、姉の満里奈と同じ高校に合格して入ったとして、その先は何の勉強が出来るのだろうと、このとき来妃菜は思ったようです。
「ね、そうじゃないから、クラスの教室に行かないでこうして保健室登校をしているんでしょう」
「………」
市松の言っていることが当たっていたため、来妃菜は言葉が出ません。
「来妃菜ちゃんって何に興味あるの?」
「分かりません。姉を追っていたものですから」
「お姉ちゃんに夢中になっていて、あなたは自分が興味あることの自覚が出来ずにいるみたいね。わかった、じゃあ、来妃菜ちゃんは小さい頃とか、小学生の頃とか、何をすることが好きだった?」
「私は……」
「紙に書くと考えがまとまりやすいかも」
「はい」
市松に紙とペンを渡され、来妃菜は彼女の質問の答えを考え、紙に書きます。
来妃菜の答えは、「人形の着せ替え遊び」と「服の試着」と「アクセサリー集め」でした。市松は彼女の答えを見て一瞬、瞳が輝きます。
「そっか、来妃菜ちゃんが好きなことはそれなんだ。なら、この学校どう?」
市松はバッグの中から私立千江積宮高校のパンフレットを出し、来妃菜に見せました。
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