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「私立千江積宮高校……」
と、来妃菜は言いながら、その高校のパンフレットに目を通します。科は普通科を初め、調理科、被服科とあり、来妃菜は被服科のページを見て、電撃に打たれたような感覚がしたのです。
被服科のページに何人か映っていたモデルの男女の生徒たちが着ていた流行りのメンズとレディースの衣装とアクセサリーに、彼女は惹かれていました。
「興味ある学科があったら、受験いいんじゃない。募集、まだ間に合うから」
と、市松は言ったあと、千江積宮高校のパンフレットを置いて行きます。
「来妃菜ちゃん、すっきりした?」
保健の先生の吉原に尋ねられ、来妃菜は、
「決めました。千江積宮高校に私、受験します!」
と、パンフレットを抱きしめて言いました。
あれから、再びクラスの教室に戻れるようになった来妃菜は、学校の勉強や千江積宮高校の受験勉強に毎日励みます。
そして、千江積宮高校の受験に合格し、春から来妃菜は被服科に通っていたのでした。しかし、入学したあと、来妃菜は中学のときの友人たちに千江積宮高校の良くない噂を聞かされ、悩むようになります。
それは、五月から毎月小テストがあることでした。
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