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麗の次に、来妃菜の左斜め前の席に座っていた小麦色のゆるふわロングヘアの女子が立ち上がりました。名前は牡谷花瑠璃乃で、麗と同じ桜の刺繍をした上着を担任の九分に見せ、判定を待ちます。
担任の九分は、瑠璃乃の桜の刺繍で桜の枝の細かいチェーンステッチを高く評し、合格の札を上げました。瑠璃乃は席に戻り、上着をバッグの中にたたんでしまい、小テスト終了の時間までぼうっと過ごします。
瑠璃乃のあと、終わった人が何人か出てきたか、次々席を立ち、刺繍した上着を担任の九分に見せ、合格の判定をもらっていました。
クラスメートのほとんどが小テストに合格し、自分だけがまだ何も出来ていないことに焦る来妃菜です。とりあえず、何か縫わないと時間がなくなることは分かってはいたものの、彼女は問題文のホルベインステッチとサテンステッチとチェーンステッチの意味が分からず、悩んでしまいます。
そうしているうちにチャイムは鳴り、小テストの時間は終了となってしまいました。来妃菜は何も出来ずに終わり、周りからひそひそ話はされますが、それが聞こえないほど、彼女は上着に何も縫えない状態で固まって動けないでいたのでした。
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