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それは恋に似ている2
やっせんぼ。
もしくは、やっせんぼう。
鹿児島の方言で「弱虫」「気が弱い」などそういう感じの意味。
高い岩や塀からなかなか降りられない僕は、歳の離れた姉から「やっせんぼだね」と昔よく言われていた。
そして今、一冊の本を前にして、僕の「やっせんぼ魂」が最大限に発揮されていた。
ページをめくる。
敵陣の様子から物語は始まった。
ドキドキしながら読みすすめていく。
あ、主人公登場。
名前を見ただけで目が潤みそうになるが、ここは堪える。
主人公の親友も登場。
恐らく後半ではこの親友が主人公だ。
3日間、ゆっくりと丁寧に既刊シリーズを読んだ。
あの「愛読書」たちと比べて、対象年齢が違うからか、この二人の青年の描き方がとても大人っぽい。
間が10年空いての新刊ということもあるからか、作者の描き方がスキルアップというか、スピード感増したというか。
とりあえず、大人っぽくなった登場人物たちに妙な感動を覚えた。
こんなに立派になって・・・。
よく親戚のおじちゃんおばちゃんが久しぶりに会ったときに「大きくなって・・・」「立派になって・・・」としみじみ声をかけてくれる理由が分かった。
きっとこんな感じなんだろう。
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