老人との出会い

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老人との出会い

コンコン 「今田さーん。いるんでしょー。 出てきてよ。」 コンコン 「今田さん、俺も暇じゃないのよ。 あんたがこの扉開けて、金払ってくれれば、はい終わり。 簡単なことでしょ。 こんな無駄な時間はお互いのためにならないからさ、ね、今田さん。」 ドンドン 「今田ー! いるのは分かってんだよ! 早く開けろ、このゴミくずが!」 ドン 「ちっ、明日また来るから、その時までに金用意しとけよ!」 シーン 「ふー、ようやく行ってくれたか。 それにしても、よく毎日来るもんだ。 たかだか100万ぐらいであそまでするかね。 まぁ、何にせよ金をなんとか用意しないと、こんな毎日が続くからな。 今日こそ一攫千金だ!」 そう言う彼の名前は今田大吉(いまだだいきち)。 親が良いことに恵まれますようにと、付けてくれた名前だったが彼の人生は山あり谷ありの、常に谷の部分にいた。 それも、彼の性格に難があるからだ。 昔から勝つまで止められない性分な彼は、何事においても諦めることをしない。 ただ、それはいつも空回りに終わり、周りからバカにされる日々。 気づけばそんな人生も30年を迎えようとしていた。     
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