18人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
秘密の四重奏(カルテット)
「話があるの」
呼び出されたのは、放課後の体育館裏。
ベタな場所に呼び出すなって思ったけど、私も彼女に用があったから、丁度良かったわ。
「来たわね」
彼女=メグミが私を見て言った。
体育館で、幾分日陰になっているとはいえ、残暑が続く毎日だった。
「なんの用?大学受験控えてるから、勉強しなくちゃいけないんだけど」
「まぁ、まぁ落ち着いて。ゆっくり話しましょ?」
メグミは、私の方にペットボトルを投げ渡す。
ミネラルウォーターだった。
「暑いんだし、ゆっくり話そうよ」
そういって彼女は、もう1本持っていたペットボトルを口に運ぶ。私は飲まずに、話を催促した。
「私、見ちゃったんだよね。あなたがこの前、駅前のラブホに男の人と入るところ」
「何の事?」
「これ、見て」
彼女は携帯を取り出し、私に見せた。
そこには、ホテルの入口に入る男女が写っている。
「この人誰なの?」
「・・・知らない」
「・・・」
「あなた、ナオキがいながらよく他の男と遊べるわよね。この写真学校中にバラまいちゃおうかな?」
「やめて!何度言ったらわかるの?私達は別に付き合ってないって」
「嘘よ!私からナオキを奪っといて」
最初のコメントを投稿しよう!