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 なるほど、妙な言い伝えが出来るわけだ。そんな恐ろしい願掛け、一生に一度やるかやらないかだろう。見つかったら絶対止められるし、もし一緒に行くとしたらよほど仲のいいひとだ。最悪、その場で相手のことを忘れてしまうかもしれない――  そこまで考えてはっとした。じゃあそのとき、彼と一緒に行ったという友人は?  「だけどまあ、本人そのものが消される訳じゃないんだよな。そいつ転校生だったからか、引っ越したって事実だけがなくなったらしくて、高校に進学したら普通にいたし」  「えっ、また会えたの!?」  「うん。案の定っていうか、俺のこと全然覚えてなかった。……まあ、大人になっても一緒にいたい、って願いは叶ったけど。初恋だったしさ」  でも、思い出がひとつ消えたみたいで辛かったなあ、と。そこで初めて、困ったような寂しいような笑みを浮かべた相手に、私はなんだかうまく言葉が返せなかった。
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