第一話 淡い月

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粟月夕茜(あわづきゆうあ)はミルキーブラウンの柔らかい髪を揺らし、寝惚けながらiphoneの画面をじっと見て驚愕したかと思えば 恋人と部屋で夕ご飯を食べる約束をしてた事を思い出し、夕日が沈み夜へと移ろう時間に目を覚ます。 「ん...今夕方!?青衣がそろそろ来る! 料理温め直さないと」 夕茜は警備員として朝から夕方まで日曜日以外働き、中心街から少し外れた茶色のアパートの角の部屋で暮らしている。 恋人の6月の初めに付き合い始め、 12月も終わろうとしていた 「~♪」 鼻歌を歌いながらテーブルの方へあらかじめ 作っておいた料理とお茶を運んでるとチャイムが鳴り ピンポーン 「はーい!」 ドアを開けると彼氏にいきなり抱き締められ 「!青衣どうし...」 青衣(あおい)が切なそうな声で 「夕茜、別れよう」 「え?」 「許嫁と1ヶ月後に結婚式を挙げる」 「許婚?結婚..」 突然過ぎて頭が真っ白になった 夕茜は青衣からの言葉に黙り込み、 しばらく下を向く。
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