二日目、朝

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 心の中で尊敬の念を送っていると、騎士長さんは再度微笑んでお辞儀をした後、フロレンツの騎士の輪の中へ戻って行った。どうせ時間はあるのだから、とその場でしばらく眺めることにする。  段差に腰をかけるとハンナが王子、と嗜める声をかけてきた。でもずっと立っている方が疲れるしそんなに汚れてないことも確認済みだ。気にせず座った膝に両手をついて頬杖をつく。これはラルフくんがよくやる仕草だ。もっとも、ラルフくんはこんな段差には腰掛けないけれど。騎士長さんからの視線が痛い気もするけれど、無視しておく。騎士長さんは騎士長さんでしっかり訓練してください。  十分ほど経って、そろそろ次の所へ行ってみよう、と立ち上がる。騎士長さんはそれに気付いてまた駆け寄ってくる。 「王子、移動されますか」  傍に立った騎士長さんが問う。俺はそれに頷いて騎士長さんに挨拶をした。彼は頷いてお気をつけて、と笑みを浮かべる。その後いくつかの応酬を交わし、騎士長さんとは別れた。
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