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「だから、千夏も頑張って。後悔、先に立たずだよ」
「え?」と驚く私に、ハルはまたコーラを持たせてくれた。
「学校、行ったら? きっと千夏のケンカ相手も後悔してるはずだよ」
「……そ、かな?」
「きっとね」
そうハッキリ言われても、なんだか素直に『分かった』とは言えなくて、私はコーラをキャップを回した。
プシュッと音が鳴ると、シュワシュワと気泡が弾けていく。
「……あの、さ」
「なに?」
「もしも、ダメだったら、またコーラ奢ってくれる?」
そう言うと、ハルは目を細めてとても優しい笑顔で「勿論」と言ってくれた。
「行ってらっしゃい」
「わっ! ちょっ……、え?」
背中を押されて振り返ると、もうそこにハルは居なかった。
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