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それから間もなく、大翔は親の都合で県外に引っ越した。
あの時、学校に行かなかったら、大翔に会いに行かなかったら、私は二度と大翔に会えなかったかもしれない。
変なケンカで終わって、それをずっと引きずってたかもしれない。
ハルのような、大人になったかもしれない。
ハルは、ちゃんと会えただろうか?
もう昔過ぎて、彼の顔も覚えてないけど、大翔に似てたって記憶だけが残ってる。
そんなことを思い出したのは、もしかしたら現実逃避なんだろうか。
「調子はどう? 大翔」
真っ白なカーテンを開けると、そこには真っ白なベッドに横たわる大翔が微笑んでた。
「絶好調」
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