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そう言いながらも、彼の顔色は悪い。
あれから、私達は付き合うようになった。遠距離で挫けそうなときもあったけど、大人になった今、私は大翔と結婚することが出来た。
「良かった。ならきっと手術も大成功だね!」
「……かな?」
「そうだよ」
今日、大翔は手術をする。成功率は30%だと先生に言われた。
「……ごめんな、千夏」
「なにが? あぁ、私の誕生日プレゼント買わなかったこと? 大丈夫、退院したら利子つけてもらうから」
「はは……、怖ぇな」
「そうよ? だからちゃんと病気を治してーー」
「俺、お前の人生狂わせちまった」
「はぁ? 何言って」
「本当は、他のやつと幸せな結婚生活を送ってるはずだったのにな」
「ちょっと、怒るよ? 大翔!」
「中学んとき、喧嘩したの覚えてるか?」
「……うん」
ちょうどさっき、思い出してた。
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