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「あの時、変なおっさんが声かけたろ?」
「……」
大翔に、似てたハル。
「あれ、俺なんだわ」
「……え?」
「俺、死ぬんだってさ」
「なに、言って……?」
「死神っていうのかな? そいつが俺に言ったんだ。俺は死ぬ、だからその前に一つだけ願いを叶えてやろうって」
「ちょっ、大翔!?」
「だから、お願いした。あの時の千夏と仲直りしたいって、あの過去を変えたいって。そう願ったら、俺は過去に戻ってあの公園に立ってた」
「……」
そういえば、ハルは二回とも唐突に現れて、消えた。
「だけど俺は大人の姿のままで……、だから自分に会おうとしたんだけど出来なかったんだ。死神がいうにはさ、過去の自分は磁石のN曲同士みたいなもんだから、絶対に会えないって」
クスッと笑うから「大翔?」と声をかけると、笑顔のまま私を見上げた。
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