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「千夏、ありがとう。俺が死んだらーー」
「死なないで!」
「……」
「死んだら許さない! 絶対に許さないからっ!」
「……悪ぃ」
「謝らないでよっ」
「……千夏、俺、やっぱお前が好きだわ」
「はる、と……」
「泣くなよ、千夏……」
彼の大きな手が私の頬をそっと撫でる。前よりも少し細くなった腕には点滴の針。
「……好き、私も、大翔が、好きだよ」
たとえ、変えられた今だったとしても、『今』のほうがいい。大翔のいない『今』なんていらない。
「だから、生きて。お願いだからーー」
私のために、生きて。
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