過去と今と、未来と過去と、君と私。

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「学校は?」 いきなりそう声をかけられたから、逃げようとするのが普通だと思う。だから立ち上がったのだけど。 「補導員じゃないよ」  その人はそう言って笑って、私の前に立った。  ここは公園で、だれでも出入り自由。しかも今は平日の午前中で、制服姿の女子中学生はそぐわない。そんな私に声をかけるとしたら、補導員が相場だと思っていたのだけど、彼は違うという。そうなると……。 「でも、ずっとここにいたら変なのに絡まれちゃうよ?」 「……」  まさに今、そうです。と思って無視して逃げようとすると、彼が「ほら」と言った瞬間、何かが木の茂みでガサッと動いた。  なに、あれ? 「それに、補導だってされちゃうかもだから──」 「帰る」
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