過去と今と、未来と過去と、君と私。

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「だから忠告したのに。なんか学校で嫌なことでもあった?」  あの後ちょっと場所を移動して、私達は河原沿いのベンチに座ってる。 「おじさんは? 仕事で嫌なことあったの?」  そう聞くと「おじ……」と私が『おじさん』と呼んだことがショックだったらしく、絶句してた。けど、すぐに「そうだねぇ」と優しく笑った。 「イカノオスシ」を習った身としては、こんな見ず知らずのおじさんと話なんてしてる場合じゃない。 「ま、こんないい天気だもんね。少しくらいはさぼってもいいと思うんだ」  だけど、この人は悪い人じゃない、と思う。 「でもちょっとだけ暑いかな? ジュースでも飲まない?」 「……」 「えーっと、そんな警戒しなくても誘拐とかしないし」 「……」 「自販機で買おうと思うんだけど、いらない?」 「……いる」
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