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「……分かんないけど。ってか、今から行けば? そんな気になるなら。大人なんだし、お金だって、こうしてサボる暇だってあるじゃん」
ハルに言った言葉は、それはそのまま私に返ってきた。あれだ、『諸刃の剣』ってやつ。
「間に合うかな? 千夏ちゃん」
「知らないし」
そう言い捨てて、コーラを口に含んだ。
シュワシュワと炭酸が弾けて、私の中の色んなものも弾けてる気がする。それが気持ちよくて、もっと喉に流し込めば、なんだかスッキリした気持ちにもなってきた。
「ふふ、いい飲みっぷり。そうだね。僕もちょっと頑張ってみるから、千夏ちゃんも、ね?」
ぽんっと私の背中を叩くと、彼は居なくなってしまった。まるで夢みたいだけど、手の中のコーラが夢じゃない証拠だ。
「……変な人」
だけど、多分いい人だ。それはコーラをくれたからってわけじゃなくて……。
「帰ろ」
明日は、学校へ行こうと心に決めて。
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