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side-颯太- いちこの奴、あり得ない。 なにが、お家でごろごろしたいから真っ直ぐ帰るだ。 ああ。そんなもんかなぁ。まったく。 それにしても、広政が家庭教師? そんなこと一言も言ってなかったけど。 少しイライラしながら、冷蔵庫のドアを乱暴に開けた。 「颯太」と、後ろから声をかけられた。母さんだった。 「なに?」 「再来週の土日なんだけど、お友達と温泉旅行に行ってくるって言ったけど覚えてる?」 「ああ。んなこと言ってたね」 「でね。すっかり忘れてたんだけど、お父さんも会社の謝恩会で温泉行くんだって」 だから、留守番よろしくねと言われた。
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