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わかったと答えながら、ふと考えた。 ていうことは、俺、ひとりってことか。 そしてすぐさま、いちこの顔が思い浮かんでしまった。 泊まりに来る? って言ったら、どんな顔をするだろう。 少しばかり進展したいと思っている、俺。 誘ってみようかなと部屋の窓から見えるいちこの家を眺めた。 なにも考えずに、泊まりに来てくれそうな気もしないことはないけど。 いちこの家のドアの前に人がいた。背中しか見えないけど、たぶん若そうな男。 ドアが開くと、おばさんが顔を出した。 あ、家庭教師ってやつかと、その背中をまじまじと見た。
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