1

13/17
前へ
/141ページ
次へ
side-いちこ- 手違いで男の人が来てしまったらしい。 ママは先生が帰って行ったあと、「イケメンで良かったわね」とウキウキしていた。 確かにかっこいいけど愛想の悪い感じがして、時間がとっても長く感じた。 名前は、有野保(アリノタモツ)先生と言っていた。 有名私大というのはあっていて、2年生という情報も間違っていなかった。 ことあるごとに理解できないあたしを、冷ややかな目で見ながら丁寧に教えてくれたけど、とっても疲れてしまったのだ。 颯太から電話があったのは、そんなときだった。 「もしもし。いちこ?」 「颯太? どうしたの?」 「どうしたの? じゃねーよ。まだごろごろしてんの?」
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加