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side-いちこ-
手違いで男の人が来てしまったらしい。
ママは先生が帰って行ったあと、「イケメンで良かったわね」とウキウキしていた。
確かにかっこいいけど愛想の悪い感じがして、時間がとっても長く感じた。
名前は、有野保先生と言っていた。
有名私大というのはあっていて、2年生という情報も間違っていなかった。
ことあるごとに理解できないあたしを、冷ややかな目で見ながら丁寧に教えてくれたけど、とっても疲れてしまったのだ。
颯太から電話があったのは、そんなときだった。
「もしもし。いちこ?」
「颯太? どうしたの?」
「どうしたの? じゃねーよ。まだごろごろしてんの?」
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