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side-いちこ- 有野先生は、「こんにちは」と言うとテキストを開いた。 「こんにちは」と、あたしが言う頃には、すでに勉強モード。 もう少し雑談とかしないのかな? 颯太以上に、スパルタだ。 「聞いてる?」と、有野先生が言った。 「あ。聞いてなかったです」 「勉強する気ないでしょ?」と呆れたように目を細められた。 「いえ。そんなことは、ないですよ?」 「まあ、どっちでもいいけど」 先生がそんな態度でいいの? と凝視してしまうけど、なんの興味もないのか、「じゃあ、もう一度、この例題やるからちゃんと聞いて」と、淡々と話し始めた。
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