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side-颯太- バイトが終わって、いちこの家の前を通る。 いちこの部屋から灯りが漏れて見えて、ここにいるんだとわかるとほっとした。 わんわんとイチタの鳴き声がしたから、夜だけどイチタの顔を見に行ってしまった。 しっぽを左右に振って、相変わらずべろべろと俺の顔を舐めまわす。 いちこもこのくらいの積極性があったらいいのに。 と、そんなことを考えてる俺は、危ないかも。 「颯太」と、名前を呼ばれるからびっくりした。 いちこだった。 「あがる?」なんて俺を誘うけど、こんな時間に行くのもなというか、ちょっと危険な気がする。 だから、「おやすみ」と言って、家に帰った。本当は、少し話したかったけれど。
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