32人が本棚に入れています
本棚に追加
side-颯太-
バイトが終わって、いちこの家の前を通る。
いちこの部屋から灯りが漏れて見えて、ここにいるんだとわかるとほっとした。
わんわんとイチタの鳴き声がしたから、夜だけどイチタの顔を見に行ってしまった。
しっぽを左右に振って、相変わらずべろべろと俺の顔を舐めまわす。
いちこもこのくらいの積極性があったらいいのに。
と、そんなことを考えてる俺は、危ないかも。
「颯太」と、名前を呼ばれるからびっくりした。
いちこだった。
「あがる?」なんて俺を誘うけど、こんな時間に行くのもなというか、ちょっと危険な気がする。
だから、「おやすみ」と言って、家に帰った。本当は、少し話したかったけれど。
最初のコメントを投稿しよう!