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「颯太の意地悪。嫌い」と、簡単にいちこは言った。 ひどい奴だ。 「お前、受験すんだろ?」 「しないもん」 するってこの前言ってたじゃないか。俺と同じ学校に行きたいって可愛いことを。 「じゃあ、進路どうするんだよ?」 「颯太のお嫁さん」 「あー。そうかそうか。その手があったか……って、はい、勉強するぞ!」と、ベッドから引きずり出して座らせた。 「颯太のばか」と、チョコを頬張りながら怒るけど、俺だって行けることなら、いちこと同じ学校に行きたいし。 わかってくれよと、ちょっと思う。 こんだけ我慢してるんだから。 なにかひとつくらい受け入れてくれ。
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