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「そういえば、赤門くん元気?」 「そういや、最近、見てないな」 「何組だっけ?」 「F組」 「遠いね。颯太のこと好きだから、寂しいんじゃないのかな?」と笑うけど、俺じゃなくて、あいつの狙いはいちこだってば。 気がつかなくてもいいけど。 「颯太」と、上目遣いで俺を見た。丸い目が柔らかい印象になると、可愛さが増す。 「なに?」 「キスしよっか?」と言った。 「はっ?」 突然、なにを言うんだ。もちろん、したいけど。 不覚にも、周りに人がいないか確認してしまう俺。 誰かに変なこと吹き込まれてないよな、といちこの顔をジッと見てみるけどわかるはずもない。
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