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「ふうんだ」 自転車のサドルにまたがって、寄り道もせずにまっすぐ家に向かう。 「颯太は、今日なにしてるの?」 「なにって?」 「広政は今日から家庭教師らしいから、家に来ても遊べないからね」 「なに? あいつが家庭教師?」と眉根を寄せた。 「広政だって受験生だもん」 「家庭教師が必要なのは、いちこのほうじゃねーの?」と言われるから、むっとしてしまう。 颯太はいつもあたしを、おバカ扱いするのだ。 颯太は家にいると言うから取り敢えず安心したけど。
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