あいつ

10/10
前へ
/15ページ
次へ
クレヨンを手に持った。 『やったあ、パパ描いてくれるの?』 バンザイだったよ ぼくすっごく嬉しいんだもん。 『飛行機描いて、ダンプ描いてー』 スラスラ書き出したパパ やっぱり魔法使いだ。 『これはなんだか知ってるか?』 『え?風船?』 『これは気球って言うんだ』 『気球?』 『そうだよ、今ここにいるみんなが乗るんだ』 『乗るのー?』 『何人いる?』 『よん』 『パパはこの中に乗ってる三人が一番大好きなんだ、一番大事で』 『ぼくのことも?』 『もちろんだよ。ふわあって空に昇ってくと誰にも邪魔されない、四人しかいない、 パパが選んだ大好きな大好きな三人がいるんだよ』 『へーパパ凄いねー』 ぼくはとっても楽しくなってきちゃった。 パパ、ぼくのこと大好きだって言ってた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加