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ネオンの街が綺麗に彩る頃、僕はやっと足を動かした。
光の街が美しくて心が華やぎ、それと同時に眩さが目にしみた。
僕のまちである。
そして酔ってふらついている彼や路上で俯き座るご老人の街でもある。
ここは僕の街であるが、誰かの街でもあるのだ。
足取りが重くなる。
腫れた顔が痛くて、そっと自分の頬に手を置いた。
冷たい感触がなんとも気持ちよくて、ただ腫れたところはヒリヒリと燃えるように痛かった。
ついに足を止めて、空を見上げた。
白い吐息が寒さを物語り、冬の澄んだ空気が夜空を暴く。
星々がらんらんと輝き放ち、夜空にも僕の街のようなところがあるのではないかと心踊ってしまうのだった。
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