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「そう、二つ目の太陽と魔物達が奪い去りこの世界から消えたとされるウミだ。砂漠の蟲はいつも同じ場所で死骸となり固まって命を終わら焦る習性があった。その集まりはやがて腐敗し大地に帰ったが、大地は再びウミを結晶化し魔物結晶体へと変化させたんだと思う」
セイハは自分の経験と知識からその憶測を導き出したとエンジに告げた。
「魔物結晶体。その欠片で人智を超えた力を発揮した者。呪われて死んでしまった者。今までにない破壊力の兵器を作った者。とにかくロクな結果にならんものだろう、そんなデカイ物で帝国とどう戦おうってんだ」
「ウミを復活させる。町を囲うように掘りを作りそこに必要な量の結晶を使う。ウミさえ復活できれば水の心配も食料の心配だって解決するはずだ」
「理想を語る。掘りは誰が作る、結晶の分量は、使い方すら解らんものを、お前は本当に使いこなす自信はあるのか」
「出来るかどうかじゃない。出来なきゃいずれ此処だってどうなるか解らない、今すぐここで動き出さなきゃ何時かなんて日は来ないんだよ。出来ないかもじゃなく出来る様にするしかないだろう!!」
思わずセイハが声を荒げた事で店主が目を覚ました。バツが悪そうな二人は背を向けあって酒を飲んでいた。静まり返った店内はあのモーター音だけが鳴り響いている。
「あ!お前ら勝手に他の酒まで飲みやがって!まぁいい、ギクはつけといてやるから二人とも今日は帰んな」
二人を見た店主は頭を押さえながら仕方ないと、二人を蠅でも追い払うかのように店の外へ追いやった。
「ギクは良いから明日また来てくれ。そんときゃあサンドクローラーの解体も始まってんだろうから二人ともツケの分働いてもらうぞ」
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