逃走劇は出会いの始まり

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 絶えず動き続ける足と目が不気味に進撃を続ける。土煙を上げながら目と足を不規則に動かし続ける様は壊れたブリキ人形の様に断片的かつ不安定に崩れそうな動きを見せた。 「サンドホエールは此処まで来るまでに傷を負っているようだな。時折、転倒しそうなほど傾いている」 「アア、ツケイルスキガアリソウダ」  そこで会話は途切れた。近まった要塞の如き大きさの化け物に息を再び飲んだセイハとキットは、本当に戦いになるかさえも解らない相手に近づきながら先手必勝とばかりにセイハは握ったものを投げつけた。  まだ距離があったが投げたそれは、投げた瞬間羽音を鳴らしながら一直線にサンドホエールに向かって飛んでいく。 「始まるぞ!キットすぐに影へ飛んでくれ」  返事をする間もなく、高く跳ね上がったキットは砂山の影へ飛び込んだ。キットの巨体で上がった砂煙と同時に、辺りが一瞬光に包まれた。 「効いたか?この閃光蜻蛉は結構ギクしたんだぞ」  轟音が鳴り響いた。間違いなく転倒した事を知らせる合図であると思い砂山から顔をのぞかせる。しかし、転倒では無く足を絡ませる様に胴体が地面に落ちスライドしながら土煙が上がっていた。  左右に絶え間なく動いていた不気味な眼は、ゆっくり回転しながら視点が定まらないように見えた。目くらましは効いているように思える。 「ツギハドウスル?」
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