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最初で最後の男になりたい、なんて思ったのは、初めてだった。
「俺は、ひよの事が本気なんだよ」
本当はもっと鮮烈な口説き文句がありそうなもんだけど、今はこれだけ。今はね。散々すれ違って、ちょっと悔しいから今はこれしか言わない。けど、本気なのは譲れない真実。
ひよが目を見開いて俺を見ていた。誰にも渡さない。沢山キスを――。
ひよりが可愛い声で何度も鳴いて。捩る身体を抱き締めた。
ダメだ、顔が緩む。
「遼ちゃん、さっきからすっごく楽しそうだよ!?」
戸惑いながら俺を見上げるひよりが少し剥れてる。
とーぜんでしょう。どんだけ我慢してきたと思ってんの。戸惑う顔も可愛いけどね。
「ンん……ァん……」
ギュッと目を閉じて顔を反らして。
「遼ちゃ……」
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