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首を竦めた遼ちゃんはあたしの頭を撫でる。
「直ぐに行かないと何か勘繰られるな」
「うん」
「ひよ……」
遼ちゃんは慌てて服を直すあたしの長い髪を手グシで優しくすきながら言った。
「俺はね、ひよが大好きだよ。でもね、今は少し……距離を置いた方がいいのかもしれない」
……え?
「りょ、遼ちゃん?」
「このままだと俺、ひよを傷つけてしまうような気がしてならないんだ」
わかんない、遼ちゃんの言ってる意味が、ぜんぜんわかんない。
「やだよ、そんなの……」
遼ちゃんに触れたい。本当は毎日、ううん、一日中触れていたいくらい。
なのになんで?
「なんでそんな事言うの?」
ポロポロと溢れる涙が止まらない。あたしが子供だから? だからダメなの?
遼ちゃんが、ギュッと抱き締めてくれた。
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