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休み時間にちょっと職員室で用事を済ませ、保健室に戻る途中、廊下に遼太が立っていた。珍しく、立ち止まって窓から外を見ていた。
俺に全く気付かない。何が見えるんだ? と遠巻きに伺ってみると、1年の女のコ達。
遼太が、2年の野球部新キャプテンの高橋の狙ってる子となにがしかの関係にある、というのは天性の勘で最近分かってる。
転んだらしく友達に助けられている子が3階の窓から見えた。あの子だったな、確か。心配そうにずっと見ている遼太に、ちょっと意地悪してやりたくなった。
それは、ガキが好きな子をいじめる感情に似ている。
「お前がロリコンとは知らなかったな」
「年齢差的にはそのカテゴリに収めるのは微妙だな、東矢」
振り向きもせずに切り返しやがる。こういうとこが……好きなんだ。
でもな、遼太。俺はお前の教師としての将来性に凄く期待してるんだ。もしも、生徒と関係を持ったりでもしたら。
お前の教師としてのこれからに傷を付けて欲しくないんだよ。俺はね、徹底的に阻止してやるつもりだよ。その子との関係。
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