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学内で足を止めてまで生徒達を見た事はなかったな。気付けば、1年生だな、という女子生徒の集団を見るとひよを探してしまう。
3階の廊下の窓から体操着に着替えた1年生達がグランドに走っていく。ハタからみたら、女子生徒を下心丸出しで眺める変態さんか。
あ、ひよ……転んだ。
あーもう! 前を見てないから転ぶんだよ。マジで危なっかしい。ひよの元に飛んで行きたい衝動を堪えるのは大変なんだよ。
学内でひよを探すのはやめよう。ロクな事ない。
「お前がロリコンとは知らなかったな」
振り返らなくても相手はわかる。
「年的にいったらロリコンというカテゴリに収めるには微妙だろ。東矢」
「いやー、生徒って時点でアウトでしょう」
保健室の先生、東矢が俺の隣に立った。今日はパステルカラーのジャージかよ。相変わらず、チャラい。
「俺は仕事柄〝余計なお世話〟大好きなんでね。ちゃんと忠告しとくよ。彼女にもね」
「!?」
俺が東矢の方を振り返った時には、ヤツはもう背中を向けて手を振りながら歩き出していた。
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