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「かわいい仔猫だね、ミケ子さん」  そう言って、頬から喉の辺りを優しくさすると、ゴロゴロとくぐもった音が聞こえてきた。ミケ子さんなりの「ありがとう」だと思った。  立ち尽くす私と、仔猫の世話をするミケ子さん。優しさや愛情だけで占められているやわらかい時間が流れていた。とても心地良かった。仔猫がピーと鳴く声ではっと我に返った。  それから、慌てて両親を起こしに行った。
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