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 高校には休まずに行っていたけれど、心ここにあらずだった。周りの人も、気を遣ってくれているらしくて、何も言わなかった。小さな町だ、ミケ子さんのことも、私の今の状態も伝わっているだろう。  周囲の人の無言のいたわりを受けながら、私はぼんやりとしたまま過ごし、春休みになった。桜の花が咲くころには、目を閉じて、木にもたれて過ごした。
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