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 何て強いんだろう。私は感心した。  その頃、私は小学校で友達ができていなくて、毎日寂しかった。入学したばかりで、うまくなじめていなかったのだろう。 「強いんだね」  知らない家の玄関先で、詰めこめるだけお腹にご飯を詰めこんで、どこかに行ってしまう。次の日にはまたくる。あちこちで作ってきたケンカの傷と、こちらを射抜くような眼差しを見ていると、全身で生きているという感じが伝わってきて、私はその力強さにただただ憧れるばかりだった。  次の日、小学校の教室で思い切って、隣の席の女の子に話しかけてみた。 「こんにちは。私、丘寺(おかでら)あかりっていうの……」 「うん、自己紹介で聞いた。かわいい名前だね。あかりちゃんって呼んでいい?」  笑うとえくぼができる女の子だった。ニコニコしながら、周りの子に私を紹介してくれた。他の子も、名前を言ったり、私の家を知ってると喋ってくれた。 「僕は白鳥(しらとり)康充(やすみつ)。家で猫を五匹飼ってるよね?」 「うん」
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