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 それからしばらくして、ミケ子さんに異変が起きた。  幼かった私は気がつかなかった。ガリガリに痩せていたミケ子さんがふっくらしてきたので、元気になったと無邪気に喜んでいた。ふくふくしている体型だったはずが、気がつくと、お腹が目立つ体型になっていた。  ミケ子さんは妊娠していたのだった。  母がミケ子さんの様子に気づき、父と話しあった。かわいそうなので、仔猫が産まれるまではご飯をあげようということになった。仔猫が産まれて乳離れが済んだら、仔猫にはもらい手を探して、ミケ子さんには手術をする。両親はそう決めたようだった。母は私に、ミケ子さんの体調やそのあとのことについて優しく説明してくれた。しばらくしたら仔猫が産まれると聞かされた私は大喜びした。
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