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翌朝ケロッとした顔で起きてきた凉江は、目が腫れていると朝から大騒ぎし、遅刻ぎりぎりの時間に仕事に出かけていった。  昨夜のことには一切触れてこなかった。もしかしたら忘れてしまったのではと思うほど、凉江の涼一に対する態度はいつもと変わらなかった。  その日、涼一はいつもより三時間も早く家を出た。  真崎に会いたかった。会って話がしたかった。  真崎自身のこと。涼一のこと。二人のこと。 二人のこれからのこと。真崎からたくさん聞きたいし、自分からもたくさん話したい。ずっと目を逸らしてきた二人の間にある現実に、今なら触れても許される気がした。     いつも通り帽子を被り、眼鏡をかけて顔を隠す。いつもと違い、用意した弁当は二つだ。真崎用の大きな弁当箱の上に自分用のおかずを入れた小さなタッパを置くと、なんだか雪だるまみたいに見えた。そんな小さな事にも、自然に頬が緩んだ。  よく晴れた日だ。雲一つない快晴で、空には淡い青がどこまでも続いていた。 まだ日差しはきついが、風はいくらか涼しくなった。今日はセックスが終わったら真崎を誘って日向に出てみよう。     
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