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僕には『この人しかいない』と決めた人がいる。
その人は引っ込み思案な僕にも優しく接してくれて、いじめられていた僕を堂々と『あんた達やめなさいよ!そんなことするなんてバッカじゃないの?』と言って助けてくれた。
その子の容姿は髪の毛はロングで背は平均的、顔立ちは普通だが性格は優しいけど言いたい事はちゃんと相手を見て言う、そうな女の子。
一方僕の方はその子とは真反対とまではいかないけどそんな感じのやつだった。‘‘だった’’なんて過去形なのはその女の子が僕に色々なアドバイスをくれて僕自身を変えてくれたから。
それから僕は今まで本読むかスマホしかしてなかったのにその子に出会ってからは、色々な友達ができるようになってこれから未来永劫ないだろうと踏んだ女性からの告白もされるようになった。
そして分かったことは、元々『ちゃんとしていれば格好良い』方だったと言うことだ。
四月になると一大イベントの中の一つ、クラス替えがある。
僕は普段はクラス替えなんて気にはしないけど、恩人__というのは同級生だから変かもしれないけど_とクラスが一緒かどうか確かめたかった。
人混みの中、ようやく昇降口に張り出されたクラス表を順に見ていくと僕のクラスはB、あの子のクラスもBだった。
これを見たとき僕は思った。
‘’僕みたいな人があの子みたいな人と一緒のクラスでいいのだろうか?’’という思いと‘‘あの子と同じクラスとは、なんて幸福なことだろう’’という不安と喜びがこみ上げてきた。
新しいクラスに入ると両手の指で足りるほどの人数しかいなかった。
教室についてコミュニケーションアプリでID番号を一通り交換し終えたところに新たな声が聞こえてきた。
聞こえてきた声は二人。女性と男性の声。女の方はずっと笑っていてて、男の方はいつ息をしているのかと不思議に思うほどにずっと喋っていた。
その人たちの声はだんだん大きくなってきた。
数十秒後ドアが開かれて、少し気になっていた僕はドアの方を見ると一人は僕の友達、もう一人は…僕の恩人だった。
一瞬で頭が真っ白になった。
しかし頑張って平常心を保ち挨拶をした。
それから普通の授業が始まると、その子のことばかり考えていて気がついたらその子を見ていたような気がする。
このことを友人に話したところこれは‘‘恋’’らしい。
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