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今年は俺の町は意外と雪が少なくて、いつもよりは過ごしやすい。俺が伊織先生にお世話になる前は三ヶ日に初詣を家族でしていたのだけど、今では俺のモデル業が少しだけ暇になる一月の後半に家族で行っている。もちろん今年もそうだ。
「ほら可愛い」
母さんは毎年、初詣用に俺に着物を買ってくれるんだけど今年はドレス。
俺が女体化してから子供が女の子だったら着せたかったものを着せてくる。
可愛いと言う母さんは本当に嬉しそうだ。
「初詣にドレスっておかしくない?」
「あら。おめかしすることに変わりないでしょう?せっかく可愛い女の子になれるんだから楽しまないとね」
母さんの言葉を聞いて真っ先に良くんが頭に浮かぶのは何故だろう?
「それに今年は薫蘭風ちゃんも一緒だから、瑠璃頑張らないとね」
「ななな、何言ってんだよ!」
ついあわあわとしてしまうが母さんはふふふと笑うだけ。
薫蘭風ちゃんが気になるなんて誰にも言ってないのになぁ。
「さぁ、お父さんが待ってるから行きましょう」
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