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老いた宇宙人のしゃがれた邪悪な笑い声が人気のない平原に木霊する。
超人戦隊スーパーファイブ最終回。現在はその話に使われるシーンの撮影中だ。
これまでバドラーの送り込む支配者達と数々の激戦を繰り広げ、地球を守ってきた主人公達。
しかし度重なる連戦によりとうとう神秘の腕輪はその力を失ってしまった。
その事を知ったバドラーは自らスーパーファイブに決戦を挑み、5人のうち4人を捕らえることに成功したのだ。
「腕輪の力は失われて超人になることも出来ず、仲間もいない。それなのに貴様はまだ諦めないつもりかレッドよ?」
陽を隠す暗い曇天の下、バドラーは目の前で倒れている若者に問いかける。
私とは違って端正な顔立ちと瑞々しい肌を持った赤いジャケットがトレードマークの青年、赤羽翔馬へと。
「負けない……例え変身できなくても絶対に!」
真っすぐな瞳をこちらに向けて彼はゆっくりと立ち上がった。もはや変身も出来ない人間の身一つで戦いを挑むという覚悟の言葉を。
その強い意思を前に、圧倒的優位にいるはずのバドラーは動揺した。
「どうしてそこまでする」
ボロボロの人間を前に後ずさる悪の侵略者。
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