第6話 side yoshiko

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「あ、はい。かしこまり、ました」  やっとこさ出した声はか細く消えていった。  その横で吉良さんが不審な目でこちらを見ていたけれど……石化した私は、とりあえず、業務。ひたすら業務に集中した。そのまま何とかその日の業務を終えた。  あと1日。神様……今週ちょっと長すぎやしませんか?私に年を取らさないように、配慮くださってる?時間軸がおかしいよ。  ──次の日も、仕事の鬼と化した私はひたすらに業務を仕上げた。石になりながら……。  ようやく、終わる。定時にダッシュで会社を後にした。疾風の様に街を駆け抜けスーパーへ。お惣菜!チューハイ!!あぁ、もう、なんでもいいや。  怪盗の変身シーンの様に一瞬で服を脱ぎ、お風呂も済ませた。  とりあえず、1人になりたかった。1人になって片付けたかった。この頭の中を。  手帳を開き、ペンを持つ。チラリと紙カップを見て、チューハイを一口飲んだ。  で?何が問題? ・結婚しようと言われた。 ・婚約? ・付き合うってこと? ・その感情は? ・意味わからん  そう、最後の一言に尽きる。
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