第6話 side yoshiko

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 わざわざ、翌日にオフィスで声を落として伝えられた 『昨日のカップの件、有効ですので』  それって、それって……結婚するってこと?私が30歳までにって言った……からだよね?  慰めで?結婚って慰めで?慰めでするものなの? 『「彼女が、結婚したいと言えていたら、結婚してたんですか?」 「おそらく……したと、思います」 「それほど、大切に思ってらっしゃた……ってこと……ですか?」 「いや、違うでしょ!したいって言われたからするだけで、そこに結城さんの意思はないじゃないですか!」』  ……あの時の会話が頭の中で再生される。  私、彼に結婚したいって言ったっけ?いや、むしろ……私くらいの関係でも“結婚したい”って言ったらしてくれるわけ?  だとしたら……なんて寛大……なのか?  何も考えてないのか?形だけの結婚?  もし、結城さんほどのハイスペックが頼まれたら、誰とでも結婚するとなれば  ……世界が揺れる。  多くの女性が彼を手に入れるために争い、あらゆるところで血をみるだろう。国を挙げてのくじ引きが行われるかもしれない。  ……そして、私は今……本筋から脱線しているかもしれない……。
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