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そこに、この私。この5人のサポートをしている私……。
【河合佳子】28歳。あ、もうすぐ29歳。
この漢字で普通に佳子だ。名字も、見た目も、ごくごく“普通”
“普通” うん。普通?いやいや、私、自分の事“普通”だなんて思ってなかった。“そこそこ”くらいには思ってた……。加齢とともに多少の外見的自己評価は下がる。でも、主立っての理由はそこじゃない。
こんな中にいるもんで自分の評価はだだ下がり。美人は3日で飽きるというけども、負け惜しみに他ならない。皆の麗しさに毎日見とれている。
この造形美たちを前には嫉妬することすらおこがましい。
私は普通だと自覚せざるを得ない。いや普通にすら位置しないかもしれない。
“世界で最も美しい顔100人”
私が選んで良いなら間違いなく5人とも入れてる。顔で採ってんでしょ?あの会社。なんて、しょっちゅう言われる。しかも、性格も良い、仕事も出来る。全くもって非の打ち所がない。
おかげで業務はすこぶる円滑。ゆえの超ホワイト企業である。
社員を採る際の役員及び人事にものすごく目利きの人がいて、この結果だ。
人事総務を兼ねた部署に会社立ち上げからいる【綾さん】
彼女曰く、『学校とかでもいたでしょ? 顔ヨシ、頭ヨシ、運動神経ヨシ、性格ヨシみたいな何でもできる完璧な人。どこにでもいるのよ上位に一定数。そこを選んだだけ』だ、そうだ。
つまり、上位一定数の集まり。アレ?私は?そこは考えてはいけない気がした……。
でもさ、でもさ、私にもそれなりに需要はあるわけで……。
私には、つきあってもうすぐ3年になる3つ年上の彼氏がいる。だから、この5人は私にとって現実ではなく見て楽しむ、いわゆる観賞用だった。
フロアを見渡し、幸せな溜息がこぼれた。
はぁ、眼福……。
今、人生のピークじゃないかな。
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