第1話 side yoshiko

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 子持ち組は夜の外出など滅多に出来ない上に、出かけたら出かけたで早めの帰宅を余儀なくされることに「独身がうらやましい」と、事あるごとに言っていた。  今後の参考にと加奈が熱心に2人の話に耳を傾けていた。「独身がうらやましい」なんて言葉にもちょっと卑屈になってしまうが、結局はないものねだりなのだろう。 「そっちはどうなの? 」そっちとは、独身組の私と由美の事だ。 「彼氏、順調なの? 」 「多分……私もそろそろかな? 」  まるで待っていたかのように由美がすぐさま返答する。 「彼……年上だし、仕事も落ち着いてきたし……。実は話、出てるんだ」  由美が恥ずかしそうに俯いた。由美にはつきあって1年の2つ上の彼氏がいる。 「キャー!!! 」 「いっちばん楽しい時だよねー!! 」 「いい報告、楽しみにしてるねー!! 」  …………。 「佳子は? 」  あ、うん。次私の番だよね。せめて彼氏がいて良かったわ。 「うーん、仲良くはやってるけどなかなか……」 「もう、長いよね」 「もうすぐ3年かな」 「まぁ、それぞれタイミングがあるよね」  付き合って1年足らずの由美に結婚話が出てるのに……ってことで気を使われた感。
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