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子持ち組は夜の外出など滅多に出来ない上に、出かけたら出かけたで早めの帰宅を余儀なくされることに「独身がうらやましい」と、事あるごとに言っていた。
今後の参考にと加奈が熱心に2人の話に耳を傾けていた。「独身がうらやましい」なんて言葉にもちょっと卑屈になってしまうが、結局はないものねだりなのだろう。
「そっちはどうなの? 」そっちとは、独身組の私と由美の事だ。
「彼氏、順調なの? 」
「多分……私もそろそろかな? 」
まるで待っていたかのように由美がすぐさま返答する。
「彼……年上だし、仕事も落ち着いてきたし……。実は話、出てるんだ」
由美が恥ずかしそうに俯いた。由美にはつきあって1年の2つ上の彼氏がいる。
「キャー!!! 」
「いっちばん楽しい時だよねー!! 」
「いい報告、楽しみにしてるねー!! 」
…………。
「佳子は? 」
あ、うん。次私の番だよね。せめて彼氏がいて良かったわ。
「うーん、仲良くはやってるけどなかなか……」
「もう、長いよね」
「もうすぐ3年かな」
「まぁ、それぞれタイミングがあるよね」
付き合って1年足らずの由美に結婚話が出てるのに……ってことで気を使われた感。
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