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第2話 side yoshiko
翌日の昼休み、いつもの麗佳さんとるなちゃんとのランチを断り
「行ってくるね」
と、言うと
るなちゃんがじとっと見ながら
「麗佳さん、リア充にはあの呪文ですよ」
麗佳さんに耳打ちする。ニヤッと笑った2人は
「「爆発しろ!! 」」
声を揃えてそう言ったものの、快く送り出してくれた。大輔が予約してくれた個室のビストロへと向かう。
「「お疲れ様~」」
お互いに言い合って注文を終えると、両肘をテーブルに預け、指を組んだ大輔がゆっくりと視線をあげた。なんだか、とても久しぶりに感じる。
「……実は……さ……」
「ん? 」
「まだ、内々示くらいの段階なんだけど……転勤の話が出てるんだ」
「え? そうなの!? ここ最近、忙しかったのって、その、せい?」
「うん、まぁそれだけじゃないんだけどね」
「それって……つまり……、栄転ってやつだったりする!? 」
「うん」
ガタッ!
思わず前のめりになって大輔の手を取る。
「おめでとう!! すごいね! 頑張ってたもん!!ずーっと!! 」
あぁ、もう、こんな時に在り来たりの言葉しか出てこない。
「うん、ありがとう」
ここでようやく、大輔が微笑んだ。
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