予定調和とアンドロイド２

５

　一方的に求められるのではなく、お互いが自然にくちびるを重ねて、味わうように舌を絡め、吸い、それだけで身体が熱く火照る。
　それによって恋しかったのは自分のほうだったのかもしれないと思った。
　肌が、体温が、触感が、すべてが愛おしい。
　これが欲しかった。
「…は、あ…っ」
　だから愛撫を受けるたびに全身が悦び、過敏に反応してしまう。それに気づいている志賀はくすっと笑む。麻木の変化を愉しんでいるのだとわかった。
「ん…、ん…っ…」
　すぐに熱を持って頭を擡げるものを志賀の大きな手が包み込み前後させると、もう抑えきれなくて声が一際高くなった。そして間もなく志賀の手をぬめった液で濡らせてしまう。
　はあ、はあ…と放った後に荒い呼吸をくり返しながらベッドに身を沈める麻木の髪を志賀がふわっと梳いてくる。と同時に、そこにくちづけると今度は頬に、次にくちびるに、と降りてきた。優しい余韻を残しながら。それは何かの儀式のようで、二人の間にしか交わされない行為かのように特別なものとして感じられた。
　またキスを交わしながら、既に疼く窄まりに指が挿入される。解すように蠢くそれは内部の弱い部分を刺激してくる。焦らすように、煽るように。