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 だからその指の動きにいちいち身を捩ることになる。もっと奥まできてほしいと言わんばかりのその姿態を前にしても志賀はペースを崩さない。じっくりと何度も中を攻めてくる。ますます欲しくて我慢できなくなる。 「はあ…、…もう…」 「我慢させたね。反応が可愛いから意地悪しちゃったな」  志賀が耳朶を食むようにして囁くと、その悪戯めいた低音が内耳に響くだけでぞくぞくする。  後孔に熱い昂ぶりが宛がわれることで、焦燥にも似た欲情がかき立てられてしまう。  緩やかにそれが身体の芯の奥深くまで打ち込まれ、先端が内部を何度も突いてくると、もう喘ぎが抑えられない。 「あ…っ、ああ…んっ…!」  快感でどうにかなってしまいそうな理性をコントロールしようとシーツを掴んで皺を作る。しかしそこで志賀がやめるわけはなくて、痙攣するように震える麻木の足を掲げ、更に深く貫かれた。体位を変えて何度も何度も挿入されることで、言い知れぬ陶酔に襲われる。もう何も考えられない。上擦った声を上げ、身を委ねるしかできない。  幾度となく紡がれる志賀の『愛してるよ』という言葉が、微睡みの中でじんわりと粒子となって全身に浸透していく。そのまま甘い熱によって溶かされて、蜜になっていくのではないかと思った。
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